星の呼び名

満天の星ならずとも、星の輝きに惹かれる人は少なくないのではないだろうか。けれども、星を見て、その名を呼べる人は限られる。これは、多くの星の名前が外来語のため、つまるところ片仮名の名前が頭に残りにくいからではないだろうか。 星空は人類の歴史の…

旧制高等学校の系譜 ~六高記念館~

旧帝大という言葉も死語かもしれない。ましてや旧制高等学校の実態を知る人はどれくらいいるだろう。字ずらそのままに昔の高等学校と考えると大きな誤解を生む。まず、旧制高等学校は男子校である。次に昭和初期の同年代の人数に占める旧制高校進学者は0.3%…

星はすばる?

長く星空を舞台に仕事をしていると、「好きな星は何ですか?」と聞かれることがある。実は、私自身はあまり意識したことがなく、大概は答に窮してしまうのだが、みなさんはどうだろう。 今から千年程の昔、清少納言は、「星はすばる。ひこぼし。ゆうづつ。よ…

天・文学の発見

「文」の字には、文字、書いたものといった意味があり、文学とは正にそういった類を扱う学問である。また、「文」には現象という意味もあり、天文学とは、天の現象を扱う学問となる。文学と言えば人文系学問の雄であり、片や天文学は理系の代表的学問のひと…

天空の大道を想う

茜色に染まった空が色を失う頃、西に輝く宵の明星から東に向かって3つの明るい星が連なる様子が見られる。西から、金星、木星、そして7月31日に最接近した火星である。これら惑星は、星座の中を各々刻々移動する。そこで、この景色も今年限定である。 金星…

西郷隆盛と火星人

今年は明治150年ということで、明治の出来事がしばしば話題に上る。NHK大河ドラマの「西郷どん」もこの系列であろう。 西郷隆盛(1828-1877)は、明治10年に西南戦争で落命した。9月24日のことである。火星大接近のこの年、9月2日に火星が最接近している。ち…

火星大接近に重ねる思い出

今年は火星大接近の年にあたる。前回2003年には、「火星6万年ぶり大接近(雑誌ニュートン臨時増刊号)」などと言われ大騒動であった。前々回の火星大接近は1988年のことで、学生だった私は岐阜県の飛騨天文台で明るい火星を観察した。その時の65cm屈折望遠…

天文学者、宮本正太郎

星空に憧れ、宇宙に憧れ、天文学者に憧れ、天文学を学んだ。その憧れの天文学者のひとりに宮本正太郎がいる。近年になって宮本正太郎が姫路に所縁があることを知り、その足跡を辿ってみた。 宮本正太郎は、1930年から3年間、姫路市柿山伏に下宿し、旧制姫路…