2018-01-01から1年間の記事一覧

星はすばる?

長く星空を舞台に仕事をしていると、「好きな星は何ですか?」と聞かれることがある。実は、私自身はあまり意識したことがなく、大概は答に窮してしまうのだが、みなさんはどうだろう。 今から千年程の昔、清少納言は、「星はすばる。ひこぼし。ゆうづつ。よ…

天・文学の発見

「文」の字には、文字、書いたものといった意味があり、文学とは正にそういった類を扱う学問である。また、「文」には現象という意味もあり、天文学とは、天の現象を扱う学問となる。文学と言えば人文系学問の雄であり、片や天文学は理系の代表的学問のひと…

天空の大道を想う

茜色に染まった空が色を失う頃、西に輝く宵の明星から東に向かって3つの明るい星が連なる様子が見られる。西から、金星、木星、そして7月31日に最接近した火星である。これら惑星は、星座の中を各々刻々移動する。そこで、この景色も今年限定である。 金星…

西郷隆盛と火星人

今年は明治150年ということで、明治の出来事がしばしば話題に上る。NHK大河ドラマの「西郷どん」もこの系列であろう。 西郷隆盛(1828-1877)は、明治10年に西南戦争で落命した。9月24日のことである。火星大接近のこの年、9月2日に火星が最接近している。ち…

火星大接近に重ねる思い出

今年は火星大接近の年にあたる。前回2003年には、「火星6万年ぶり大接近(雑誌ニュートン臨時増刊号)」などと言われ大騒動であった。前々回の火星大接近は1988年のことで、学生だった私は岐阜県の飛騨天文台で明るい火星を観察した。その時の65cm屈折望遠…

天文学者、宮本正太郎

星空に憧れ、宇宙に憧れ、天文学者に憧れ、天文学を学んだ。その憧れの天文学者のひとりに宮本正太郎がいる。近年になって宮本正太郎が姫路に所縁があることを知り、その足跡を辿ってみた。 宮本正太郎は、1930年から3年間、姫路市柿山伏に下宿し、旧制姫路…